L'Amant 16

 ナルシッサ・ブラックは二人の姉、アンドロメダとベラトリックスに
比べると、幾分地味で目立たない印象の少女だ。もちろん美男美
女で知られるブラック一族特有の整った容姿をしているが、顔に
感情があまり表れないことで人の目につきにくいのだった。それで
も、その優雅な身のこなし、美しい言葉遣いは見るべき者が見れば
完璧な魔女だと知れる。
「ナルシッサのことをどう思う?」
私は膝の上のセブルスに尋ねてみた。
「えっ、ミス・ブラックですか?」
そうだと答える代わりに軽く頬に口づけると、セブルスは暫し考え
込んだ。
「思いやりのある人だと思います」
無難な答えだ。セブルスにはナルシッサが私の婚約者候補だと教
えてあるから迂闊なことは言えないと思ったのだろう。先ほど私が
肌蹴たシャツから覗いている、薄い胸の小さな飾りを舌で舐めたり、
指で押して弄るとセブルスは溜息を洩らした。敏感な体質なのに
快感を堪えようとしているのだろう。私は時間をかけてセブルスの
身体を馴らしていくと決めていたので、いつも膝の上であやすよう
に愛撫を施して少しずつ身体に快楽を教えることにしていた。
「あなた以外で最初から僕に分け隔てなく接してくれたのは、ミス・
ブラックとミスター・ウィルクスだけです」
私の胸に凭れてセブルスは言葉を続けた。ウィルクスというのは
ナルシッサと同じ学年の監督生だ。スリザリンでは珍しいがセブ
ルスと同じく純血の家の出ではないらしい。似た境遇なのでセブ
ルスのことを気にかけているのだろうか。ナルシッサはセブルス
が私と同室だから話しかけているのに違いない。それから、セブ
ルスに対して丁寧な態度をとっているというよりはおそらく誰に対
しても礼儀正しいのだと思う。ナルシッサは生まれたときから純血
の名家の魔女としての礼儀作法を教え込まれてきた。いついか
なる時に誰かの助けを借りねばならないかわからない。だから自
分と関わりがある者には常に親切であるようにと躾られてきたの
だ。しかし、ナルシッサの姉のベラトリックスは極端な純血至上
主義者で恐ろしく高慢な女だ。おそらく近親結婚の弊害で狂気に
近くなっているのだと思う。逆にもう一人の姉であるアンドロメダは
マグル出身者と駆け落ちしているが、これは論外だ。純血の中
でも最高の家柄の三姉妹でも、真に純血らしい魔女は一人だけ
だ。ちなみにブラック家の魔法使いは私たちの世代ではシリウス
とレギュラスの兄弟しかいないが、シリウスが屑だということは
セブルスを通して判明している。そのうちアンドロメダのように
マグルと駆け落ちするか、あのポッター家の眼鏡と何か犯罪を
おこす可能性が高いと思う。あいつらは人より猿に近い。レギュ
ラスがまともに育っていることを祈るばかりだ。セブルスが堪
えきれなくなって声を漏らした。いつの間にか、刺激が強くなっ
ていたらしい。口づけながら、軽く身体を揺さぶってあやしてや
る。感じながらも羞恥に塗れているセブルスはとても可愛らしい。
もっと素直になれるように教え込んでいくつもりだ。
「触ってみるか?」
私自身もセブルスの幼い媚態に煽られて昂っていた。私の膝に
座っているセブルスの腿に私の昂りがあたっている筈だ。セブ
ルスは躊躇していたが恐る恐るズボンの上からそっと手を宛てて
きた。私はその小さな痩せた手の上に自分の手を重ねてぐっと
押しつけてやった。それからズボンの釦を外して寛げ、立ち上が
りかけている中身を出した。セブルスのズボンを脱がせて床に
落とす。セブルスの中心もとっくに形を変えている。
「見てご覧。同じようになっているね」
セブルスは恥ずかしそうに目を逸らそうとした。
「ちゃんと見なければいけないよ」
優しく叱ると、素直に下を向くのが可愛らしくて仕方ない。
「セブルスが気持ちよさそうにしているのを見て私もこんな風に
なってしまった」
耳元で囁くと、セブルスの耳と頬が赤く染まった。
「今日は一緒に最後までしようか。私がやってあげるからセブル
スは大人しくしておいで」
二本の性器を纏めて掴み、しごいて刺激を与えていく。セブルスと
私の快感はすぐに解け合い一体になって弾けた。

(2014.6.30)

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