インタビュー


Q.あなたはセブルス・スネイプ氏のことを信頼しておられるのですね。

HP.はい。決戦後にスネイプ教授は校長職を速やかに辞任し、ホグワ
ーツを去ろうとしていたところをマグゴナガル新校長が説得してもとの
魔法薬学教授に復職したとききました。僕も7年生をやり直したのです
が、魔法薬学でわからないところをよく質問しに行きましたよ。
とても厳しいけれど、生徒の人生に役立つことを惜しみなく教えてくれ
る先生でした。僕の親友のロン・ウィーズリーも間接的にですが、スネ
イプ教授のおかげで命拾いしたことがありますよ。

Q.ロン・ウィーズリーはハーマイオニー・グレンジャーと並んであなた
の親友で、あの決戦時にあなたと常に行動をともにしていたことはあま
りにも有名ですが、その時の出来事ですか。

HP.いいえ、その時もスネイプ教授は僕たちを遠隔的に守ってくれて
いたのですが、もっと前に僕たちが6年生の時に不幸な巡り合わせで
ロンが毒を飲んでしまったことがあったのです。僕が咄嗟にベアゾー
ル石をロンの口に入れて事なきを得たのですが、ベゾアール石が
大抵の魔法薬の解毒剤だと僕に教えてくれたのはスネイプ教授な
のです。

Q.授業で習ったばかりだった?

HP.いいえ。スネイプ教授がベゾアール石に解毒作用があると教えて
くれたのは、なんと一年生の魔法薬学の最初の授業の時なんです。
全員11才の子どもたちで、僕も含めて自分が魔法使いだと知ったば
かりのマグル出身の子も何人かいたのですが、スネイプ教授は僕た
ちを一人前の魔法使いとして、最初から高度な授業内容でした。当時
の僕にはちんぷんかんぷんでしたが(笑)

Q.しかしその事を覚えていて、親友の危機を救われた。

HP.
ええ、その時は理解できないのですがスネイプ教授の授業は
不思議に記憶に残っているのです。本当に大事なことだからでしょ
うね。

Q.セブルス・スネイプ氏は教師として信頼に値する人物だったという
わけですね。彼は数年後に教職を離れて、主に脱狼薬の研究者とし
て注目されるようになりましたね。教師を辞められた事を残念に思わ
れますか。

HP.ええ。でも脱狼薬は多くの人を苦しみから救うことができますか
ら、より彼にしかなし得ない仕事に就いたといえます。

ハリー・ポッターはとても真剣な態度でこちらの質問に答えてくれた。
ゆっくりと言葉を選ぶというわけではないのだが、言葉は明瞭で、誠
実だ。このインタビューは魔法省の応接室の一つで行われたのだが、
休憩の合間に自ら紅茶を用意してくれたり、他のスタッフとのやり取
りを垣間見た様子でも快活な青年そのものだった。奢り高ぶること
なく、人間不信に陥ることなくハリー・ポッターは彼の人生を過ごして
きたことが窺われた。そろそろインタビューを再開することにしよう。
彼にはまだたくさん聞きたいことがあるのだ。

(2011.12.16)ブログにSSがあります。

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