インタビュー

Q.それではハリー・ポッター、あなたはご自身のお父様に対
してどのような感情をお持ちですか?あるいは誰か父親的な
存在の人物がいらっしゃいますか。例えば、亡きダンブルド
アやセブルス・スネイプ氏がそのような存在だといえません
か。

HP.幼い頃は両親は自動車事故で亡くなったと教えられて
いました。父についてはホグワーツに入学してから本当の
ことを知ったのです。クディッチの名選手で主席だったこ
と。とても勇敢な人だったとダンブルドアから教えてもらっ
てどれほど憧れ、誇りに思ったことか!
実は僕は何度か父に会ったことがあるのです。正確には
生きている姿ではなく詳しいことは話せませんが、僕の危
機をいつも助けてくれました。パトローナスを自分の力で
出せるようになって、父が僕の中にいると感じるようになっ
たこともあります。
でも、学生時代の父を他の人の記憶を通して見る機会があっ
て、僕の想像とは違う姿に少なからずショックを受けました。
自分の父親の思春期の頃の姿なんて見るものじゃありません
ね。ちょうどその時の僕と同じ年頃だったので余計子どもっぽ
くみえましたし、がっかりしました。今ではそれも父だと思えま
すが。父の親友だった亡きシリウスや、ルーピン先生に父の
面影を少し見出していたような気がします。生きていたら友達
みたいな親子になっていたんじゃないかなと思います。
 ダンブルドアとは、師弟関係だったのだと思います。思い
やり深く僕をいつも導いてくれましたが、常に適切な距離が
保たれていました。ダンブルドアは聡明で自分自身にとても
厳しい人だったので、他者と慎重に距離をとっていました。
あれほどの才能に恵まれた魔法使いとしては異例の自制
心の持ち主でした。僕のことを大切に考えてくれていました
が、それはすべての人に等しくむけられていたのだと思い
ますよ。
 それから、スネイプ教授もやはり未だに教えを請う関係です
が、父親と思っているわけではないです。ホグワーツで教授
職に就く人物というのは例え辞めた後でもずっと教育者なの
かもしれないですね。

Q.あなたとヴォルデモートが直接対決しないで決着する方法
があったと思いますか?

HP.それはおそらく不可能でしょう。僕はヴォルデモートが
意図せずに作った最後の分霊箱でしたし、ヴォルデモートが
戻ってきたら、再び僕の前に現れるとダンブルドアにはわかっ
ていたからです。ヴォルデモートは自分の運命についての
予言を知り、しかも彼流に解釈してしまっていましたから。
兎に角絶対に僕を滅ぼさなければといけないと思い定めてい
たはずです。それは赤ん坊だった僕のせいで弱体化したこと
への復讐心といったものではなく予言を念頭においての行動
です。

Q.ヴォルデモートは予言の暗示にかかっていたということ
ですか?

HP.
もう少し詳しく説明した方がいいみたいですね。ヴォル
デモートが知っていたのは予言の前半部分だけです。闇の
帝王を倒す者が現れること、そしてその者の特徴について
語られた部分です。予言者がいた部屋の扉の外にいたデス
イーターが偶然その部分を聞いて主に知らせたのです。
予言に該当する人物は僕以外にもいたのですが、ヴォルデ
モートが勝手に僕に狙いを定めました。僕が混血だったこと
に自分の秘すべき出自との類似点を見出して抹殺しようと考
えたのかもしれません。
こんな事を言うものではないと思いますが、常識的に考えて
該当者はすべて潰しておくべきではないでしょうか。スリザリ
ンの理想とする完璧主義からしてもね。ヴォルデモートは誰
も信じていないわりに、分霊箱をかなりずさんな方法で保存
していたり、又聞きの預言を真に受けてまんまと踊らされて
しまったりと迂闊なところがあります。自己の力を過信して
いたのでしょうけれどね。
 実はヴォルデモートの行動によって予言の後半部分が実
現されることになったのです。闇の帝王自ら印を付けるとね。
それが、これです。(有名な稲妻型の傷を指差して悪戯っぽく
微笑んだ)そもそもこの予言を受けたのはダンブルドアだっ
たのです。もちろん完全な形で予言を聞きました。だから、
ヴォルデモート失踪後、ダンブルドアはまだ戦いに続きが
あると予測して、いずれ訪れるであろう来るべき真の対決に
向けて備え始めたのです。

Q.ダンブルドアが自らあなたを保護していたら、ご両親は
殺害されなかったのではないかとは思われたことはありま
せんか?予言では闇の帝王を倒す者の両親の生死につい
ては語られていませんし、ご両親は犠牲にならなくてもよか
ったのではないかと思ったのですが。

HP.実際にダンブルドアがそう申し出たとマグゴナガル教授
から聞いたことがあります。でも、シリウス・ブラックが秘密
の守人になることになったそうです。
 これは僕の推測ですが、ダンブルドアが予言を本当に重要
視し始めたのは、予言が実現してからだったのではないで
しょうか。もちろん予言を軽視せず僕の両親に警告し、匿うこ
とを厭いませんでしたが、ダンブルドアはきわめて理性的な
人物でしたから、予言というものへの懐疑心も合ったはずで
す。最悪な形で予言が的中してしまったことにダンブルドアは
自責の念を感じていたと思います。両親の話をよくしてくれて、
僕の事を勇気のある子だといつも褒めてくれました。
ただ、赤ん坊だった僕がヴォルデモートの呪文を撥ね返した
のは、母の命を懸けた保護呪文で守られていたからです。
もしダンブルドアが僕を守ることになっていたら、何か違う
印がつけられることになったか、もしくは僕は殺されてしまう
ことになったのかもしれません。予言に該当する子どもは僕
以外にもいたわけですし、その子の方に予言が移行するよう
な成り行きになったのかもしれない。もしくは予言が外れた
ということも可能性としてはもちろん有り得たと思います。

Q.あなた自身は予言をどのようにとらえていたのですか?

HP.正直にお話ししますが、かなりの影響を受けていたのは
事実です。予言の続きを僕自身がきいてしまったということ
もありましたしね。それは最初の予言と同じ人物から聞いた
のです。ダンブルドアの諭しがなければ、僕もヴォルデモー
トと同じ運命を辿っていたかもしれません。予言なんて知ら
ない方がいいのです。後から知って、当たっていたと驚くのが
正しいと思いますよ。

Q.二回目の予言は当たったのですか。

HP.ええ。今、僕がここにいて、ヴォルデモートは土の下に
いるという形で予言は実現しました。

Q.その予言者は魔法省の神秘部に所属されている方で
すか?

HP.いいえ、ホグワーツの占い学のトレローニー教授です。

Q.えっ、トレローニー先生ですって。僕、学生時代に授業を
とってましたよ。よく居眠りしてしまって、授業内容をよく覚え
てないのですが…。

HP.あはは、実は僕もです。あの占い学の部屋の生暖かい
空気と甘い紅茶が否が応でも眠気を誘うんですよね。
 それはそうと今回、トレローニー先生のお名前を出していい
かと問い合わせたのですが、先生からふくろう通信で占いを
始めようと思っているので告知してほしいと頼まれました。
値段は一件2ガリオンですが、オプションに応じて加算され
ます。対面での占いを希望の方は、学校が休暇中に限り、
ホグズミートの喫茶店「魔女達の部屋」で面会可能だという
ことです。完全予約制です。ちなみに先生はシェリー酒か
ら占いのインスピレーションを得られるそうです。それから
茶葉はいくらあっても困らないというお話でした。興味のある
方はふくろう便で申し込んでみてください。その際には、お
茶、水晶、タロットのどれで占うか、占う内容と一緒に必ず
書いておいて欲しいそうです。


(2012.3.17)

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